novel ヒバツナ♪

□昔昔その昔
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昔昔その昔、空の国に綱吉という名の王子様がいました。その王子は気は弱いですが優しい心の持ち主で他の国の王子、王女に好かれ『ツナ王子』と呼ばれていました。

そのツナ王子は晴の国の京子王女に恋をしていました。
しかし京子王女はツナ王子の気持ちを知らないまま青の国の王子に嫁いでしまいました。

ツナ王子は京子王女に想いを告げなかったことをとても後悔しました。


数日後、会談で国王と一緒に来ていた隣国の嵐の国の隼人王女はツナ王子の下へ行きました。

「ツナ王子。きっと京子王女の様な女性が現れます!いいえ!それ以上の女性が!」

隼人王女はツナ王子を敬愛していました。そのツナ王子に悲しい顔をさせたくないと慰め励ましていました。
ツナ王子は隼人王女の優しさに感謝しお礼を言いました。

「隼人王女ありがとう。」

笑顔で言うツナ王子に隼人王女は「勿体ない御言葉です!」と慌てますがツナ王子はそんなことはないよと笑顔を向けました。


ツナ王子はそう言えばと思い出し隼人王女に言いました。

「もうすぐ武王子と結婚だよね。」

ツナ王子が言うと隼人王女はブスッとした顔になりました。

「別に好きで結婚するわけじゃないです!仕方なくですよ!」

雨の国の武王子は隼人王女に一目惚れし猛アタックしていました。
隼人王女は最初は鬱陶しく感じアタックしてくる武王子を王女とは思えない振舞いをし、ぶん殴るし蹴りを食らわしていました。
それでもめげない武王子にほだされた隼人王女はめでたく婚約し、結婚を控えていました。


「綱吉王子、隼人王女。お食事の時間です。」

メイドの呼び掛けに二人は頷き部屋をでました。


国王達と会食をし、次の日嵐の国王と隼人王女は帰国しました。


1ヶ月後、盛大な結婚式で爽やかな笑顔を見せる武王子とブスッとしながらも白いドレスを身に付け頬を染めている隼人王女がいました。


ツナ王子と同じ年頃の王子と王女が次々と結婚していくと空の国の人達はそろそろツナ王子にも結婚相手がいるのではと盛り上がりを見せていましたが、未だにツナ王子に相手はいませんでした。
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