novel ヒバツナ♪
□誕生日ケーキ
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4日前ーーー
「何で五月五日は休日なの?」
雲雀の唐突な問に草壁は『はあ?』と思いつつも「こどもの日で祝日だからでは?」と答える。
「・・・小動物はゴールデンウィーク中に登校するかな。」
「多分来るなら野球部の連中試合がある三日ではないでしょうか?」
答える草壁に雲雀は眉を寄せる。明らかに不機嫌だ。
「その練習試合、五日に変更して。」
雲雀の言葉に無理だと思う草壁。
「委員長、さすがに無理です。」
いきなり変更は出来ない。しかも練習試合は4日後だ。
雲雀は口をへの字にしムスッとする。明らかに不機嫌度指数がマックスで、草壁は何とかしなければと青ざめる。
「委員長。沢田に補習は有るのでしょうか?有るなら補習の日を五日にしては如何でしょう?」
「その手があったね。」
雲雀は機嫌を良くしパソコンの電源を入れる。
見ているのは生徒のテストの点数だ。以前校長を脅して、ではなく一部の風紀委員(雲雀、草壁)は生徒の成績を閲覧することが出来る。
「・・・・・・。」
先程の機嫌が急降下。うっすら黒いオーラが渦巻いている。
運の悪いことに(?)ツナのテストの結果はギリギリ平均点より少しだけ上だった。つまり補習はない。
「何でこんな時だけ平均点越えてるのさ!」
頑張ったであろう(?)ツナに対して暴言レベルの物言いだ。
雲雀は座ったまま八つ当たりでパソコンをトンファーで粉砕しようとするが有るものが偶然目に入る。
「へぇ。あの子未完成の状態で家庭科の提出物を出したんだ。」
ツナは家庭科でエプロンを作っていたがヒモがついてない状態で提出する羽目になった。
「草壁。小動物を家庭科の補習で呼び出して。エプロンの代わりにケーキを作らせてよ。勿論五日にね。」
雲雀はツナの手作りケーキで誕生日を祝ってもらおうと企んでいた。
草壁はまた無茶苦茶なことをと思うが雲雀は言い出したら聞かない。
「わかりました。今すぐ手配します。」
応接室を出た草壁はツナを思い浮かべて合掌するのであった。