novel the others

□恐怖の大空様
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京子は放課後、中谷姫子に屋上に呼び出された。

「中谷さん、遅くなってごめんね。」

姫子は京子の方に振り向き「姫子も今来たばかりだからきにしないで。」と笑顔で答えた。

「話って何かな?」

京子が聞くと姫子は京子と自分以外誰もいない屋上で話し出した。

「お願いがあるの。沢田君に近づかないで!」

「えっ!?」

いきなりツナに近づくなと言われ京子は呆然とした。姫子は笑顔を消して京子を睨み付ける。

「あんた邪魔なのよ!あんたがいるから沢田君姫子に全く話しかけてくれないのよ!だから沢田君に近付くな!話しかけるな!良いわね?」

「ツナ君は親友だものそれに中谷さんに何でそんなことを言われないといけないの?」

京子は未来に飛ばされた時は真っ先に守ってくれたツナを大切な親友だと思っている。付き合いだって長い。なのに転校してきて2週間しか経っていない姫子に何故一方的に言われなくてはならないんだと反論した。
反論する京子に姫子は苛立った。

「ふーん?もう一度だけチャンスをあげる。沢田君に近づかないって今すぐ姫子に誓いな!」

「嫌よ!さっきも言ったけどツナ君は大切な親友!!」

「ちょっと可愛い程度でアイドル扱いされて腹立ってたんだよ!まあ良いわ、あんたには地獄を味あわせてあげる。」

クスッと笑った姫子は屋上を出ていった。


京子は笑った姫子を見てゾッとした。

「中谷さん。一体貴女は何を考えてるの・・・?」


姫子の笑った顔は醜く歪んでいた。



ーーーー

沢田家、ツナの自室では熱を出して寝込むツナがいた。
熱なんて久しぶりだなと思っていると背筋がゾクリとした。

『この感覚、熱のせいじゃないな。超直感だ!誰かが狙われてるみたいだけど誰だ?』

熱のせいか超直感が鈍っているようだ。

『明日獄寺君達に聞いてみるか。そうと決まれば。』

ツナは傍で銃の手入れをしているリボーンに言った。

「おい!今すぐボンゴレ御用達の薬を寄越せ!」

「お前、俺様をよろず屋か何かと勘違いしてねーか?」

「さっさと用意するか備長炭並に黒い丸焦げになるか選べっ!」

ツナは怠い体を起こして死ぬ気丸無しでハイパーモードになった。

「分かった!ボンゴレ御用達の薬を出すからハイパーモードを解け!」

「お願い聞いてくれてありがとう!」


いやいや、お願いじゃねーだろ!完全に脅迫しただろ!リボーンはそう心で突っ込んだ。

沢田家に来て間もない頃、リボーンはツナのダメダメっぷりを信じ込んでいた。(ツナのダメツナ演技が完璧過ぎだった。)
だが骸とその一派のことでツナはダメツナを止めた。理由は了平が襲撃され入院して京子が悲しんだからだ。
本性を剥き出しにしたツナは骸を一瞬で戦闘不能にして頭頂部の逆立てた毛を容赦なく引っこ抜いた。頭髪を引っこ抜かれた骸の悲鳴をBGMに復讐者がお出ましになり骸達は牢獄送りになった。一部始終を見ていたリボーンは唖然としていた。

リング戦もリボーンからしたら悪夢だった。
晴戦、雷戦、嵐戦、雨戦、雲戦は良かった。ツナは普通に応援していたしランボを助けたりしていた。
悪夢は霧戦と大空戦だった。
クロームが窮地に陥り骸が現れてマーモンを倒した時にツナはいきなり骸を一発でノックダウンさせて頭頂部の逆立った毛髪をむんずと掴み「女の子のクロームが窮地になる前に出てこい!このナッポーが!」と言ってまた毛髪を引っこ抜いた。
骸はショックでクロームの体から出ていった。

大空戦ではツナは超直感で猛毒のデスヒーターを注入されると分かりとんでもなく部厚いリストバンドを奈々に作って貰い守護者達に装着するようにと渡した。かなり部厚い作りで針が皮膚に到達せずツナ達はノーリスクでデスヒーターで苦しんでいるスクアーロ達を袋叩きにしたあとザンザスも袋叩きにして(女の子のクロームは犬と千種に預けた)これまた超直感でザンザスはボンゴレの血が一滴も流れてないと知り大空のリングを躊躇うことなくはめさせた。
結果、ザンザスは全身から出血してリング戦は幕を閉じた。

未来に飛ばされた時はユニのことでツナがキレて死ぬ気丸無しでハイパーモードになり「いたいけな女の子に何してんだ!クソが!」と言いながら百蘭をフルボッコにした。・・・クロームを除いた守護者達と巻き添えを食ったディーノとロマーリオと一緒に。

シモンとの戦いはツナ達も炎真達も差ほど傷付かなかった。またしても超直感でD・スペードの謀だと分かりツナ達と炎真達はD・スペードを集団リンチの刑に処した。

代理戦はある意味リボーンがピンチだった。ツナは漫画を読みながらリボーンに言った。

「え?虹の呪い?面倒臭いから俺パスね。」

虹の呪いって美味しくないんだろ?とのたまってツナは棄権しようとした。(結局虹の呪いを上手く解けば幼いユニの短命の呪いが解けると分かり代理戦に出たが。)


もう明らかにダメツナではない。寧ろどっちが悪役か分からないような戦いばかりしているツナ。
リボーンはダメツナが懐かしかった。



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