novel ヒバツナ♪
□Be My Valentine
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雲雀恭弥は誰も居ない応接室の窓からある人物を見て溜め息を吐いた。
『何とかあの小動物を此方に向かせたい!』
雲雀は小動物こと沢田綱吉に恋をしていた。
しかし初恋な上にあの雲雀だ。
どう接して良いか分からずトンファーで咬み殺してしまいツナに怯えられる始末。
おまけにいつも獄寺と山本が忠犬ハ〇公のようにピッタリくっついているからツナに話しかける前に獄寺達に邪魔をされて咬み殺し、さらにツナに怯えられるの繰り返しだ。
雲雀はテーブルの端にあった小冊子が目に入った。
【並盛商店街ガイド】
並盛商店街の組合で出している小冊子でクーポンやその月に合わせた特集などを掲載している。みかじめ料と一緒に毎月献上されていた。
今月は2月。表紙にはでかでかと『チョコレートを贈って好きな人に愛の告白を!』と銘打っていた。
雲雀は『これだ!』と心の中で叫んだ。
チョコレートを沢田に贈ろう!と意気込む雲雀は早速、並盛商店街ガイドを開く。
ラ・ナミモリーヌ等の洋菓子を扱う店では通常より可愛いチョコレートやチョコレートクッキー等を紹介し、和菓子を扱う店も負けじとハートの形の煎餅等を推していた。
『あの子は煎餅よりチョコレートやケーキの方が喜びそうだね。』
雲雀はさらにページをめくり目をこれでもかと見開く。
『愛するあの人には手作りで!』と出ていた。
チョコレートの作り方やモデルの女の子達が手作りの方が思い伝わるなどとインタビュー形式で掲載されていた。
『なら僕も手作りで勝負だね!』と雲雀は決心し、草壁を呼びつけた。
「これを今から買ってきて。」
雲雀に渡されたメモを草壁が見て雲雀と同じように目を見開く。
メモには製菓用のチョコレートやドライフルーツ等が書かれていて草壁は驚愕した。
「あの・・・これは?」
咬み殺されるのを覚悟して草壁は雲雀に聞いた。
「チョコレート菓子の材料。」
淡々と答える雲雀に草壁は何故雲雀がチョコレート菓子の材料をと思いながらも材料を買うため並盛商店街を走り回った。