novel ヒバツナ♪
□昔昔その昔
6ページ/6ページ
ひきつるツナ王子をよそに雲雀王女はラッピングされた箱を渡しました。
「誕生日でしょ?あげる。」
ツナ王子が恐る恐る開けると仔ライオンの形をしたガラス細工の置物が入っていました。
「可愛い!雲雀王女ありがとうございます。」
ようやく笑顔を見せたツナ王子に雲雀王女は満足げに笑みをこぼし紫色の小箱を出しました。
「はい。これ。」
「二つもあるんですか?流石に悪いです!」
ツナ王子は返そうとしましたが雲雀王女は受け取りません。
「これは誕生日プレゼントじゃない。さっさと開けなよ!」
ドスの効いた声で言われてツナ王子は慌てて小箱を開けました。
「指輪?」
「そう。婚約指輪だよ。」
「こ、婚約指輪ーー!?って婚約したことになってるーーーー!!!???」
「一線を越えたし良いよね?まさか僕を傷物したのに断る気?」
雲雀王女は艶やかに笑っていますが目は『婚約しないなら地のはてまで追いかけて咬み殺す!』と脅しています。
傷物にされたのはこっちだとツナ王子は叫びたかったのですがトンファーで咬み殺されるのは嫌なので首を縦にブンブン振りました。
大空の国王と妃、紫の国王と妃はツナ王子と雲雀王女の婚約を認めました。
特に貰い手がないと嘆いていた紫の国王と妃はありがたいことでした。
1ヶ月、盛大で華やかな結婚式が開かれました。
大空のように優しい笑みを見せるツナ王子と仕方ないが群れすぎているとやや仏頂面の雲雀王女がいました。
晴れ渡った青空には一つだけ雲が寄り添うように浮かんでいました。
その後、結婚式が終わると雲雀王女がツナ王子の手を引っ張り二人の寝室に入りました。
「さあ、綱吉。初夜だよ。」
雲雀王女の発した言葉に湯気が出るくらい顔を赤くし硬直するツナ王子。
ツナ王子をベッドに押し倒しました。
「知らないだろうけど僕は君に一目惚れしたんだ。」
ツナ王子は雲雀王女の気持ちを初めて知りました。
「そうだったんですね。俺は会うたびにトンファーで殴られてたから嫌われてるんだと思ってました。」
「だって綱吉は草食動物達と群れてたし、近付けば脱兎の如く逃げるから。僕はこんなに好きなのに君は僕以外の人間とばかり仲良くして。」
だから焼きもちで殴っていたと話した雲雀王女にツナ王子は冷や汗が出ましたが同時にこんなに想ってくれる雲雀王女にほだされました。
ツナ王子の気持ちの変化に気付いた雲雀王女は下唇をペロリと舐めました。
「フフ。君もやっと僕を少しは好きになってくれたみたいだし、もう逃がさないから。」
舌なめずりをして壮絶な笑みを見せる雲雀王女はツナ王子はこのままこの体制だと誕生日の時のようになってしまうと真っ青になりましたが雲雀王女は馬鹿力で押さえ込んでしまっています。
「あ、あの?普通男の俺がリードするものじゃ?」
「悪いけど僕が主導権を貰う。綱吉は寝転んでなよ。気持ち良くしてあげるのも妃の務めだし。」
「務めとか言わないでくださいーーーー!!」
「覚悟決めなよ。」
「ぎゃーーーーーーーーーーー!!??」
ツナ王子は誕生日の日よりも濃厚な一時を過ごすことなりました。
そして1年後。
二人は愛を育み、雲雀王女にそっくりな子供が生まれましたとさ。
めでたしめでたし。
End.