novel ヒバツナ♪
□昔昔その昔
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数日後の10月14日その王女は単身で空の国に乗り込んで来ました。
「小動物を出しなよ!」
その王女は空の城の召し使い達を脅していました。
その騒ぎに気付いたツナ王子はこっそり様子を伺いました。
「嘘でしょ!?」
ツナ王子の目に写ったのは紫色のドレスを着こなした黒髪、黒目の王女。そして手には銀色のトンファー。
「な、何で雲雀王女がここに!?」
紫の国の雲雀王女はツナ王子にとって恐怖の象徴でした。
小さい頃から「群れるな!咬み殺すよ!」と雲雀王女にトンファーで咬み殺されていました。ここ数年は雲雀王女に会うこともなくツナ王子は安心していました。
ツナ王子は慌ててその場を逃げ出しました。
逃げて逃げて右側に曲がった瞬間ツナ王子は目を大きく見開きました。
「見つけた!」
紫色のドレスを着た雲雀王女がそこにいました。
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!???」
雲雀王女はトンファーはしまい普通に立っていただけですがツナ王子には血に染まったトンファーを構え舌舐めずりしながら睨んでいるように見えてしまい恐怖のあまりに気絶してしまいました。
気絶したツナ王子を見て雲雀王女は「失礼過ぎだよ。」と不機嫌そうに呟き、仕方なくツナ王子を横抱きにして王子の寝室に運びました。
ベッドに下ろし雲雀王女はツナ王子の頬を指でつつきました。
「プニプニだね。」
初めて会ったのは紫の国で盛大なパーティーがあった10年以上前。
可愛い小動物が大好きな雲雀王女は自分より小さいツナ王子に一目で好きになりました。
しかしツナ王子は他の王子、王女と群れていて、嫉妬心から雲雀王女はトンファーで大暴れ。
逃げ惑う人々の中、雲雀王女の暴れっぷりにツナ王子は震えながらも守ろうと両手を広げ京子王女の前に立っていました。
それに益々不機嫌になってしまった雲雀王女は「群れるな!咬み殺すよ!」とツナ王子をトンファーで殴ってしまい気絶、京子王女は泣き出して、パーティーは滅茶苦茶になってしまいました。
それ以来ツナ王子は雲雀王女を見ると逃げ回り不器用な雲雀王女は気持ちを伝えられず「何で逃げるのさ?」とトンファーで殴っていました。
ツナ王子の頬をプニプニしながら雲雀王女は持ってきていた紫色のベルベットの小箱を見てフフフと笑いました。
その笑顔は心なしかどこか黒いものがありました。
「さて、この子が眠りこけているうちに。」
雲雀王女はツナ王子の服を脱がしはじめました。