novel ヒバツナ♪
□昔昔その昔
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空の国の国王の相談役でツナ王子の家庭教師のリボーンはツナ王子の部屋へ向かっていました。
「入るぞ!」
ノックもせず入るリボーンにツナ王子は慣れていました。
「リボーン。どうしたの?今日の勉強は終わったよね?」
「そろそろツナも婚約者が居てもおかしくないからな。もし気になっている王女がいたら教えろ!」
「婚約者ーーー!?」
「うるせぇ!」
リボーンはツナ王子の頭に飛び蹴りをお見舞しました。
ツナ王子は頭をさすりながら考えました。気になる相手ではありませんが年が近い王女を二人思い浮かべました。
一人は同盟を組んでいる赤の国のハル王女。
ハル王女は可愛いらしい顔で元気が溢れる王女です。
ただ元気がありすぎて高い場所から降りようとして降りれなくなったりとお転婆な所があり、幼なじみのツナ王子は何度ひやひやしたか分かりません。正直、こっちの寿命が減っていくとツナ王子は思っていました。
もう一人は霧の国のクローム王女。
ツナ王子からしたら避けたい相手です。
クローム王女は愛らしく大人しい王女でツナ王子としては好ましい王女なのですが、クローム王女の兄の骸王子に姉のMM王女、そして王子王女の護衛を勤めている犬と千種が苦手でした。特に嫌味を言ってくるMM王女と小馬鹿にしてくる骸王子が苦手で出来れば避けたい相手でした。
「うーん。出来ればクローム王女は避けたいな。ハル王女かなぁ。赤の国とは同盟も組んでいるしね。」
「そうか。なら国王に伝えておくぞ。」
リボーンはツナ王子の部屋を出ていきました。
しかし数日後、タッチの差でハル王女は晴の国の了平王子と婚約してしまいました。
「うわーーーっ!!ヤバイよ!ヤバい!ヤバすぎるよ!!」
ツナ王子は頭を抱えていました。
「このままいったらクローム王女しか残ってないじゃん!クローム王女は良いけど骸王子達は本当に勘弁してーーー!」
しかしツナ王子の不安は杞憂に終りました。クローム王女もまた緑の国に嫁ぐことになりました。
安心したツナ王子でしたが恐ろしいことにもう一人の王女をすっかり忘れていました。
そして数日後その王女がなんの前触れもなく空の国に単身乗り込んで来ることなど今のツナ王子には分かりませんでした。