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□好きなのは____
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綺麗な銀色の髪の毛を靡かせ前線で活躍するは俺の恋人、佐久間次郎
そう…‘恋人’
だけど、俺らは本当に恋人なのか?
そう思ってしまう自分がいつもいるんだ
いや、そう思わせる瞬間があり過ぎるのがいけないんだ
「鬼道さーんっ!!!お疲れ様です!!」
「あぁ、ありがとう佐久間」
練習後、一番にベンチに行くと2人分のドリンクやタオルを持ち鬼道に渡す
最早見慣れたこの光景
だがいつも、お前は鬼道の専属マネージャーか
そう突っ込みそうになってしまう
「そんなに佐久間に離れて欲しくないなら縛っとけば良いじゃねーかよ」
「なっ…縛るって
というかお前は良いのか?鬼道…」
付き合ってるのに…、と小さく付け足す
「ん?あーそういやここ何日かヤってねーなww」
「そういう事じゃなくて…!!///」
しかしそんな俺の言葉を無視し、不動もベンチの方へ行った
・
・
「鬼道さんっ!!聞いてくださいよこの前…」
俺は佐久間とクラスが違う
「分かったから一回落ち着け、佐久間」
「そーだよ。お前耳元でギャーギャーうっせーんだよ」
「俺は鬼道さんと話してるんだ。嫌なら不動、お前がどこか行けば良いだろ」
休み時間、佐久間達のクラスを訪れると大抵はこうだ
窓側の一番後ろの鬼道の席
必ずと言っていい程佐久間はそこに行き楽しそうに鬼道と話す
だから俺は話し掛けることなく自分の教室に戻るんだ
こんな、日々
佐久間の中の俺は一体何なんだ?
佐久間の中の俺は一体どれくらいなんだ?
鬼道より……大きい存在なのか?