【空へ】
□hollow
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夏の大会で負ければ3年の俺は部活引退だ。
バスケが強い高校から何校も声がかかっているので、引退後も練習に来るよう顧問の先生から言われたけれど、俺は体育館には戻らなかった。
受験勉強が本格化する頃、親父が神奈川へ転勤することを聞かされた。
ほぼ同時に神奈川のバスケ強豪校から声がかかり、中には湘南大相模高校の名前があった。
俺はバスケ顧問の先生から湘南大相模は光中の5人が進学を決めているから、お前もどうか?と誘われた。
布施と俺がチームメイト
悪い冗談だ。
笑っちゃう。
俺はバスケ部の有無をよく調べないまま、自分の偏差値に合う県立高校を普通に受験することにした。
3月、スポーツ推薦で早々進路を決めたクラスの鈴木達は毎日のように誰かの家で遊んでいる。
俺は受験を控えているから、仲間には加わらず、
んな訳はなく、俺も鈴木達とフラフラ遊んでいた。
“ヘラヘラしていると肝心なところでミスる”
時々布施の言葉が頭をよぎる。
結局俺は、第一志望の瑞穂高校に合格した。
布施の忠告が自分の中で劣化したのを感じた。