【空へ】
□tragedy to hollow 〜another story
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竜くんの気持ちは嬉しかった。
中学3年の始業式から数えて2日前、竜くんは私のことを好きだと言ってくれた。
でも私は何も言えなくて…
「わかってる。高階が好きなんだろ?」
竜くんの優しい声が今でも頭に響く。
私はズルい。
「3人の時間が一番好き。」
竜くんにとって残酷な答えを口にした。
あの時、素直に「トウヤくんが好き」と言っていたら何か変わったのかな。
でも、あの時は本当に3人で居る時間が愛しくて堪らなかった。
「明日、3人でデートしよっか」
竜くんの提案が嬉しくて、私のトウヤくんへの気持ちは暫く隠しておくことにした。
でも、そのままずっと隠すことになるなんて…