短編

□物語の一頁
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「別にエネルギーを大量に確保するだけがセイバートロン復興の道ではないんですよメガトロン様。もちろん根本的な問題解決の手段は確かにそこなんですけど、工夫すれば我々はもっと少量のエネルギーで効率よく動けるはずなんです。必要総量を抑えられるはずなんです」

「俺たちトランスフォーマーがエネルギーを摂取し、それについて幸福感を感じる時、そこにあるのは満腹感だけです。けれど物理的満腹だけが全てじゃない。実際満腹状態を何度も繰り返すとエネルギー変換回路が摩耗しやすかったり全身に負荷がかかるようになるのは事実ですし」

「そこで俺は他の生命体の文化に着目してみました。即ち食事です。例えば人間は食事によって幸福感を得ることが確認されています」

「その時に重要なのは味覚です。彼らは『美味しい食事』によって満足します。我々にも似たような感覚がありますが、正確には現在口腔内に高感度センサーがあり、口にものを含むことでその構成を分析するというのに留まっています」

「そこで実験してみたんですけど、どうやら俺たちの口腔内センサーというものもエネルゴンの成分により『味覚』と同じような感覚を得られるとわかったんです。そこで作ってみたのがこの『味』のついたエネルギーです。サンダークラッカーとスカイワープで試したら二人とも『塩っ辛い』が好きっていう結果が出ました。おっさんかっての」

「で、あいつらとは逆にフレンジー達カセットロンは『甘い』のが好きって出ました。そして通常彼らが届けに出すエネルゴンとこのエネルゴン、どっちをどれだけ摂取すると満腹になるのが検証してみたら、なんとこの『味付き』の方は約二分の一の量で満足するっていう結果が出せたんですよ。活動時間も無加工のエネルギーのみを摂取した時と差はありませんでした」

「今のデストロンの一サイクル当たりのエネルギー配給量は大体五百キューブですから、もし仮にこれをデストロン兵の半分が気に入ればエネルギー配給量を百二十五キューブを浮かせられることになります。これのさらに半分でもレーザーウェーブに送ればあいつも動きやすくなりますし、残った半分でもっと効率よく兵器を作り出すことができます」

「問題はこの機械がまだ実験段階で無駄が多くてエネルゴンキューブ一個を加工するのにキューブ半分分のエネルギーが必要ってとこなんですけど…ここは機材を改良すれば五パーセントくらいまで押さえられる計算になっています」

「以上がここ最近俺がやっていた研究の結果です。これでもまだ反逆するつもりだって言うんですかメガトロン様?俺様はこーんなにデストロンのこと考えてあれこれがんばってたっていうのに…この技術持ってサイバトロンに行っちゃいますよ?」

「…ほんと行っちまうぞばーかばーかメガトロンのばーかあああ!!!」





*****

一生懸命研究してたのを反逆してると勘違いされてめっちゃ怒られた夢主ちゃんでした。有能スタスクなのでサイバトロンに行かれると非常に厄介。
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