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□第2話
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『それじゃ、行ってくるね♪』
「気をつけろよ」
『うん!』
「行ってらっしゃい怜奈」
『行ってきます!』
笑顔で告げ、階段を降りていく彼女。階段の一番下でまた振り返る。2人を見て、安心したかのように微笑む。
「楽しんできてね」
真琴が彼女に告げる。まるで親のようだ。
『ありがと!部活、頑張って!』
「うん♪、ほら、ハルもなんか言ってあげて」
「・・・行ってこい」
『あははっ、ありがと、じゃあね♪』
太陽が照り返すコンクリートの上を、彼女の靴の音だけが響いていた。
「・・・なんかさっきのハル、お父さんみたい」
笑いを堪えていたかのように口元に手をあてる真琴。
「・・・うるさい」
何か言おうと思ったのだが、昨日怜奈と見た刑事ドラマの台詞が口から出てきてしまった。
「さてと、どうするの結局。渚たちに連絡する?」
「もちろんだ」
遙の瞳が決心したかのように光った。