長編(交際編3)

□休日
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(ヘソンside)

僕らのワクワクは一瞬で消えた

ソウル大公園の入り口で
若いアイドルグループが番組の収録をしていて
周りには見たことのあるテレビスタッフと
ファンの女の子たちが溢れていた

エリックは鼻歌を止めて
そのまま車をUターンさせた

ゴメン・・僕のせいで・・
あ〜腹ペコだ
どこかで弁当食べようぜ

しばらく車を走らせて
エリックが地区の住民用グラウンドを見つけた

平日の昼間だから誰も使ってなかった
僕らは日差しを避けて
コンクリートで作られたダッグアウトに入った

ダッグアウトの中のベンチに
お弁当を並べたエリックは
僕のためのゴマたっぷりキムパブを1つつまんだ

ヘソンあ〜ん

風も日の光も感じるのに
隠れ家のような空間で
僕は自然にエリックの指からキムパブを食べた

ヘソン俺にも!

僕もエリックにキムパブを差し出す
エリックの唇がキムパブと僕の指先に触れた
外でこんなことしたことないから
ドキドキするけど
何だか普通の恋人同士みたいで
恥ずかしいけど嬉しい

エリックの幸せそうな笑顔が
エリックも同じ気持ちだと教えてくれた

可愛い動物もキレイな花もアトラクションもない

何にもない場所なのに
今すごく幸せだよね・・僕たち・・
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