BLACK★KING

□この景色変わることを望まぬ
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ここは、お金持ちたちが通う学校。ただこの学校は普通ではない。
学校は森の奥にあり、街とは程遠い場所に建てられていた。何より金持ちが通うだけあって校舎をはじめ何もかもが立派で派手だった。そんな男子校に通う一條辰樹(イチジョウ タツキ)は二年生にして生徒会長を勤めていた。


「おい、西城…。てめぇふざけているのか?」


会長用の椅子に座っている俺は副会長の西城さくら(サイジョウ サクラ)を前にして何も手をつけていない書類を押し付けた。西城は気まずげに俺から目線を反らすと何も言わずに静かに自分に与えられた席へと戻っていった。それを見届けてから俺は溜め息をつく


「会長………しわ」


すると横からぎこちない言葉で喋る男が立っていた。少し経ってから彼の言葉を理解した俺は自分の顔に眉間が寄っていたことに気付いた


「(確かに、この頃働きづめでイライラしていたからな)」


とひとり思い返していると


「だ…いじょう…ぶ?」


心配そうな顔で俺の顔を覗いてきた。


「(俺の目の前に大型犬が見える…)」


癒されながらも実際自分より背が高い彼の頭を椅子から立ち上がり撫でた。


「夏目先輩、心配してくれてありがとうございます」


言うと、ふにゃりと笑った書記の夏目詩(ナツメ ウタ)を見て“本当に犬みてぇだな”と思ったのは言うまでもない
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