BLACK★KING U
□ゆがみ
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袖に着くと丁度紹介が始まるところだった。また、発表まで役員同士もお互いの格好を見ないように一人一人区切られていた。以前それがなかったせいで役員同士が互いの衣装についてもめ大変だったらしいから笑える。そんなことを思っていると、
「さぁーて、これからは僕ちんが司会を進めます!まずは、書記の東藤さんの登場です」
山田からマイクを受け取った司会が喋りだした。同時に盛り上がる生徒たち。
「……男の仮装なんて見て楽しいのか?」
と疑問に思いながらも目の前の壇上を見つめた。そこには、黒に白いフリフリのレースが着いたメイド服を着て皆に手を振っている東藤が居た。
「東藤さんの衣装はメイド服!昨年も同じ結果でしたが、今回は猫耳を追加いたしましたー!!!さて、東藤さん一言お願いします」
「本来なら、こんなことした奴ら皆叩き潰すんだけど悪までも行事だから許してあげるニャン」
と怖い発言に生徒たちは一瞬冷や汗をかいたが最後の言葉でその空気は無くなり盛り上がった。
「頭〜!!最高です」
「流石、僕たちの憧れ」
「是非とも抱かせ「それ以上言ったら……潰すよ?」……」
触らぬ神に祟りなしとでも言うところだろうか、と思いながらも東藤も女装だったので少し安心する俺だった。
「えっと、気分を取り戻して次は副会長の山田さんでーす!!!今回の衣装は海賊」
そう言うと、正に某映画のジャクの様な衣装を着ていた。しっくりくるのはなぜだろうか。
「やっぱり山田くんって、素敵だよねぇ」
「何でも似合っちゃうから羨ましいよぉ〜」
と口々に上がる声に山田は微笑みながら言った。
「皆はん、盛り上がっとるかぁああああああああ!!!!」
『わぁああああああああ!!』
どこかのライブみたいに生徒に振ると割れんばかりの歓声が上がった。ふと司会を見ると頑張って耳を塞いでいたので笑えた。
「……次は待ちに待った、会長の森山さんの登場です」
と些か疲れた様な感じに思えた。同時に壇上に出てきた森山に目を奪われた。