BLACK★KING
□わからない明日
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あの時集まった時より騒がしい体育館を見渡しながら俺は震える手を握った。
「会長ぉ、大丈夫ぅ〜?」
とあんなことがあったにも関わらず前と変わらない態度で接してくれる大原に
「あぁ」
と短く返事をすると一度目を瞑り深く深呼吸をすると、ゆっくりと目を開け壇上に上がった。
「一條様だ!」
「久しぶりに見たな」
「そう言えば、俺の友達が買い物に行くために外に出たら不良と喧嘩している会長みたんだって」
「それ本当〜?」
「相当荒れてたらしいよぉ。怖い」
と段々とひそひそ話が広がると俺は少し動揺しながらもマイクのスイッチを入れた。
「今日は急に集まってもらってすまん」
全校生徒にはあまり謝ることのない俺に生徒たちは驚き、先程まで五月蝿かった体育館が一気に静まり返った。
「前回も折角集まってもらったのに会長である俺が取り乱してしまった挙句、自分と向き合わず投げ出してしまった………」
と言葉を濁すと一人の生徒が
「あの!さっき皆の話を聞いていたんですけど、この姿を消していた一ヶ月不良と喧嘩していたんですか?」
と気まずそうに質問すると俺は
「事実だ」
と言って
「前回の時答えが見つからなくて、それを紛らすために喧嘩した。全校生徒の模範でいなくちゃいけない俺が良くない祖業をしていたのは十分承知している。それでも俺はこの学校………生徒が好きだ。より良い学校にしたいと思うだから」
と緊張で張り付いた唇を無理に開かせて
「だから、会長を続けさせてくれッ」
と頭を下げた。