BLACK★KING
□剥がれ落ち崩れだす
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俺たちが体育館に着いた時には、もう生徒たちが居て丁度優勝者の結果発表だった。
「会長様!どこ行ってたんですか!次、会長様の担当ですよね?坂井様が探してましたよ」
いち早く俺を見つけた柳は、自分より背が高い生徒たちの人混みを避けながら、俺の場所まで来た。柳も必死になって探していたようでほんのりと頬がピンクに染まり額に汗が浮かんでいた。
「わりぃな」
迷惑をかけてしまったことに謝ると真咲に
「やることあるから、またな」
と言う。
それからふと、周りを見渡すとこちらに坂井が向かって来ていた。柳の手には携帯があったのでどうやら見つけたと同時に坂井にメールを送ったようだった。
「一條、何処に居たんだ探したんだぞ?まぁ、それは後でいいか生徒が待ちくたびれている」
と早口に心配しながらも俺の背を一押しし、俺は壇上に上がった。
俺が出てきたのを確認して、司会の人が安堵しながら言った。
「長らくお待たせしました!次は優勝者の発表でえ゛ぇぇす!!!!」
ハイテンションで盛り上げ上手な司会が言った言葉に皆、ざわついていた空間が一気に静まり返る。
「今年度、多くの生徒を捕まえたのは……………ッ!?」
皆は結果に耳を傾けていたが、それに俺は、今年は誰だろうなぁ〜?何て呑気なことを思っていた。
「我らの委員長2年G組 鬼塚祐希だあ゛あぁぁぁぁぁぁ!!!」
わあぁぁぁと、沸き上がる歓声とは、別に俺は頭を金槌で殴られた感覚に陥った。
「(よりによってあいつかよ!あの事あったし気まずい)」
そんな俺の心の叫びは届かないまま、壇上に鬼塚が上がってきた。