BLACK★KING

□静けさからのはじまり
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ただ、一週間前までは、まだよかった

役員全員ではないが交互に生徒会室に来て仕事をしてくれていたから。今は生徒会室には俺一人で、他の役員たちの机には書類がどっさりと積まれていた。
あの日から俺を覗く人気者たちは、転校生の虜になった。
噂に寄ると風紀委員長の鬼塚が丁度無人の筈の教室に通りかかったときに転入生が不良たちと喧嘩をしているのを見たらしい。その綺麗な喧嘩に、RYUと重ね勝手に“転校生はRYU”だと言う噂が流れた。本物はここにいるのにな、と思うがめんどくさい奴等が居なくなったのでその点は助かった


けど、他にも噂が流れていた。生徒会長である俺のありもしない噂。それは……


“生徒会長は仕事を放棄し役員が説得をしても仕事をせず夜な夜な、自分の親衛隊の中から可愛い子を選んでは抱いている”


というものだった。
そんな噂を誰が信じはじめたのか、それともこれまで仕事に追われていて生徒会室で寝泊まりをして姿を見せなかったのが悪いのか、俺の味方は全くいなくなっていた。


「ついてねぇや」


溜め息混じりに言うと、ふと職員用の書類が混じっていた事に気が付いた。めんどくさいと思いながらも、何時間も座っていた椅子から重い腰を持ち上げ俺は生徒会室を出た
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