BLACK★KING U
□終わりは始まり
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あの事件から数ヶ月
俺たちは三年生になっていた
「お!俺たち同じクラスじゃん」
「マジかよ!何でいきなりてめぇがSクラスに上がってんだ?」
「そりゃ、俺の愛しい辰樹が居るからな」
「それだけで、そこまで成長するかよ……馬鹿」
と貼り出されたクラスわけの紙の前に立つ俺の身体を引き寄せながら言ってくる鬼塚。それに俺は横顔をチラ見すると一瞬にして顔に熱が集まったのを感じた。三年に上がる間も鬼塚と口喧嘩することはあったが、何だかんだもう半年が過ぎていた。このままゴールインなんて考えている俺は鬼塚よりも馬鹿かもしれない。
それよりも……
「ん、どうした?そんなに俺の顔なんて見つめて。かっこよすぎて惚れたか」
確かに前より格好よく
「……ちッ、そんなわけあるかよ」
と一瞬思ってしまった自分を舌打ちで誤魔化すと俺は鬼塚に顔を背けて颯爽と教室に向かうことにした。
「ったく、俺のお姫様はいつになっても恥ずかしがりや何だから。だからいつになっても抱けねぇーんだよな」
と呟くと鬼塚も俺の後をついてきた。
「何でついてきてんだよ!」
さっきの事がどうしても負に落ちないで俺は喧嘩腰に後ろに居る鬼塚を睨むと鬼塚は苦笑いをしながら
「何でって、俺もここのクラスだし」
と少し周りの様子を伺いながら鬼塚は言った。
「登校初日から全く……辰樹、お前自覚無さすぎだ」
「何だよ」
「学校のトップってだけで目立つのにクラスで痴話喧嘩して、それ以上目立ってどおするんだよ」
「痴話喧嘩ッ!?」
とまた言い返そうとしたとき横から
「鬼塚委員長の言う通りですよ、会長」
と西城の言葉に遮られた。