隠された偽り

□第二章
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「今日も生徒会の奴等は休みだな。ソードマッチまで後一週間、各自家柄に恥じぬよう練習とかしとけよ」


とクラスの扉の近くまで来た俺の耳に担任の声が聞こえた。会議をサボってこちらに来たのでクラスもまだSHR中らしい。それにお構いなしに扉を大袈裟に開けるとクラスに居た生徒たちの目線が俺に向けられた。逆に俺は目の前の教壇に立っているいかにも教師からぬホストのような格好をした担任兼生徒会顧問のイバンを見た。


「どんな俺様が来たかと思えばアルバートじゃないか。俺より遅く来るとはどんな要件だ?」

「そりゃ会長様だからだろ、イバン?」


「全く、俺はお前の担任なんだ先生くらい付けろ」


「そんな格好した奴は先生って呼ぶ価値ねぇよ」


と吐き捨てると青筋を額に浮かばせながら


「そう言えば、今年はソードマッチに出るんだよな。クラス順位も懸かってんだ負けたら容赦しないならなっ!」


と何処からそんな先程決まった情報を知ったのかイバンは言った。


それにまた言い合いになり始めると、心配そうに様子を見ていたクラウディオが


「先生、次の時間の準備しなくていいんですか?時間が掛かるんですよね」


とイバンに問い掛けた。するとその言葉にチラリと自らの腕時計を見ると大袈裟なくらいに舌打ちをして、教室から出ていった。それを見届けた俺はやっとの事で自分の席、一番後ろの窓側の席に着く居た。そんな俺にクラウディオが俺の近くに来て小声で


「目立ちたくないのでしょう?それなのに何故ソードマッチに受理したのですか?」


と真剣に言ってきた。


「分かってる。でも、つい風紀の挑発にのっちまったんだ、だから、お前も隊長ならそれくらいの実力を俺に見せてみろ」


と口角を上げて言うと目線を窓に向けた。


「(しょうがないじゃないか。正体がバレるバレないの前に俺のプライドが許せなかったんだから)」
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