隠された偽り

□第一章
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「はぁ……はぁ。早くこの城から逃げないとッ」


深くマントのフードを被った人物は身なりも気にせずにひたすら走っていた。そして、その付近には幾つもの兵隊が居た。


「ひとつ残らず探せぇ!!けして生きて逃がすな」


『御意』


隊長らしき人物が命令すると一気にまとまっていた兵士たちは焦ったように周りを見渡しながら散らばった。


「くそっ!あそこでしくじらなければ…」


「隊長!!こちらは居ません」

「こちらもです」


「………一度撤退して立て直す」


と言うと朝陽が昇ると共に消えていった。
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