○短編○

□lovedeprive
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野村雄一郎(指名手配者)×阿部大和(警察官)



「やぁ、奇遇だね」


どこかで見た顔だなと思っていた阿部は声を掛けられたことにより思い出した。


「っ!貴方は、指名手配者の野村雄一郎ですね!!」


「俺様のこと知っているんだ、嬉しいな。どうせならフルネームじゃなくて名前で呼んで欲しいな大和警官」


と胡散臭い笑顔を浮かべる指名手配者の野村に阿部は気付かれないように自分の腰に挿してある拳銃に手を伸ばす。


「何しているの大和警官?」


しかし、もう少しで掴めそうな所で野村が阿部の腕を掴んだ。


気づかれないと思っていた阿部はその事に一瞬怯んだ。それを見計らって阿部を野村は自分の身体に密着させた


「えっ、ちょ…なにするんですか」


殺されるわけでも、人質にされるわけでもない。

野村のとった行動に混乱しながらも犯罪人である彼から離れようともがくが腕はきっちりと阿部の腰に回されていて身動きが出来なかった。


「拳銃を取るのを気付かないと思ったのか?いけない子だね。まぁそんなとこも俺様の好みドンピシャでいいけどな」


と意地悪い笑みを浮かべるとあっさりと阿部を離した。


「少しでも大和警官にあえてよかったよ。次会ったら時は君を貰いに行くから。他の犯罪人たちに傷つけられないようにね」

と言うとリュックから帽子を取り出し深く被ると人混みに紛れながら姿を消した。
さっきの自分の瞳をいぬくような野村の瞳に、阿部はヨロヨロと力なくその場にヘタリ込んだ

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