○短編○
□誰か貰って下さい
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佐藤いぶき(人気者)×伊東葵(嫌われ者)
深夜の公園に四人の人影があった。
「気色わりぃ目の色しやがって!!」
「うわっ!今こいつ睨みやがったよ」
「たく、生意気な顔しやがって」
三人の男は口々に言いながら、地面に蹲っている一人の男を囲むようにして殴っていた。
「伊東葵(イトウ アオイ)。なんでお前が殴られていると思う?」
「………………」
「返事をしろやッ!」
「おぉ、怖ーい。ビビって声なんて出ないんじゃない?」
「本当、何でこんなんが生まれてきたのやら」
「………………」
問いかけては口々に言うが、それでも何も反応しない男につまらなくなったのか、気がついたときには男の周りには誰も居なくなっていた。
「いてて、容赦ないな」
それから数分後、三人組の男達が居なくなったのを確認すると伊東葵と呼ばれていた男は、ボロボロになってしまった衣服から砂ボコりを払った。痛みに堪えながらも立ち上がった。
一瞬、
暗闇に浮かんだ金の色
それは、葵の瞳から出ていた。