○短編○

□晴れ渡る空の下の出来事
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澤月(不良校のトップ)×設楽(不良校のトップ)




「ってめぇー、やんのかコラ」

「やれるもんならやってみろよ」


「ぶっ殺す」


売り言葉に買い言葉。
一向に最後が見えない、俺達の喧嘩は毎回会うたび同じであった。





あいつは隣の不良校のトップで俺はその隣に建っている不良校のトップ。ただ、喧嘩を吹っ掛けてくるのはいつもあいつからで、俺から喧嘩を吹っ掛けたことはなかった。
だから、たまには俺から吹っ掛けてやろうと思って学校が終わったと同時にあいつがいつも居る場所へと駆け足で向かったのだ。


「好きです!僕は澤月さんの喧嘩をしているところを見て一目惚れしました。良ければ僕と付き合ってくださいっ」


やってしまった
一瞬、その言葉で思考が埋もれた。本当にタイミングが悪い

まさか告白現場に遭遇してしまうとは…。はじめは面白半分で聴いていたが、何故だか次第に胸を締め付けられる強い痛みに襲われた


「(気にくわねぇ)ってなんであいつに…」


何故だかあいつが俺の知らない誰かと話していることに腹がたった。誰にも取られたくないと思った


「なんだ、俺って何だかんだ言ってあいつのことが好きなんじゃん」


その気持ちに気づいたときにはもう遅いと思った。だってあいつの目の前に居るのは男だけど自分より可愛くて、背も小さく華奢。自分とは全く正反対な容姿を見て“敵いっこない”と決めつけてその場を後ずさろうとした。
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