BLACK★KING
□天候の兆し
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じわじわと今の自分の立場を実感してきて顔を蒼白にさせた。
「大人しく犯されな」
「………………ッ」
一筋の涙が流れたと同時に俺を囲んでいた不良たちがざわめきはじめた
「何だよ。五月蝿いな」
「誰かが乱入してきッ」
と一人が言おうとしたところでそいつは、一瞬にして地面に倒れた。不思議に思い俺に馬乗りをしていた相手が確かめるために一瞬力が抜けたのを見計らって俺は、思いっきり足で大事な場所を蹴りあげた
「う゛ぁ!!!」
と、苦しく唸って俺から悶えながら退いた。
それから素早く立つと俺は、目の前の光景に驚いた。その場に居た不良たちは皆地に伏せていて先程逃がしたはずの東と何故か鬼塚がいた
「東と鬼塚?」
ボンヤリする思考で名前を呼ぶと東が駆け寄ってきた
「すみませんでした。僕、逃げた後に自分の愚かさに気付いて委員長を呼んだんですが……」
と息をあげながら俺の今の格好を見ると、言葉を濁らせた。
「あぁ、わりぃ」
その視線の先を追って自分の格好を思い出した。シャツのボタンは無く全開になって、ズボンは落ちかけていた。どうしようかと困っていると鬼塚も俺の存在に気付いたようでズカズカとこっちに向かってきた。