BLACK★KING
□天候の兆し
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「おぃおぃ、趣味悪いんじゃないか?」
と言うと挑発だと思ったらしく不良の一人が東を捕らえた。それから不気味な笑みを浮かべて
「じゃ、先にこの仔猫ちゃんと遊んであげる。君はそこで何も出来ないまま見ていれば良いよ。勿論後で遊んであげるけど」
と言われた俺は唇を噛み締めた。それを楽しそうに見る不良たち
「……なぁ、俺だけじゃ満足しないのか?」
と俺は東に手を伸ばそうとしていた不良に声を掛けた。その発言に眉を上げる。
「へぇ、君が皆の相手をしてくれるの?」
「あぁ、その代わりあいつは解放してくれ」
と言って東を指差した。
それに不良は舌舐めずりをして
「わかった、楽しませてくれよ?仔猫ちゃん、君はもう要らないから気が変わらない内に帰りな」
と伸ばしていた手を引っ込めてそう言った。俺の発言に驚いていた東が不安げに俺を見る。そんな情けない顔に笑みが自然に零れた
「何してるんだ、早く行けよ?それとも見たいのか?」
と敢えて俺はニヤついて言うと東は慌てて
「っ誰が!言われなくとも立ち去りますよッ…でもなんで………」
と言った後に言葉を濁すと俺は小さく息を吐いて
「お前が俺を邪魔な存在だと思っていてもお前はこの学校の生徒であることはかわりない。会長の俺が生徒を見捨てる訳ないじゃねぇか」
と言いきる。