BLACK★KING
□天気晴れ。心荒れ模様
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中三の冬、あの時は人生のなかで一番荒れていた。学校はまともに通わずにサボり意味もなく喧嘩に明け暮れていた。殴って殴ってその快感が忘れなくて、俺の中では、そんな自分が無敵だった。誰にも負けたことがない自分が…
自分は一人でも生きていけるし、群れるのははじめから大嫌いだったので周りには一匹狼のRYUと呼ばれ始めていた。そんな中、気晴らしに街にでた俺は
「探せ!!絶対に逃がすなっ」
「ッ、どこいきやがった」
と血の気が多い不良たちが何かを探している所にバッタリ鉢合わせてしまった。
「(っち、また俺を探しに来たやつらか?それにしても青黄赤髪とか信号機みてぇだな)」
とその頃ストレス発散に構わずに不良たちに喧嘩を仕掛けていた俺は恨みを晴らしに来たやつらだと思った。しかし、一向にこちらに気づかない相手を見つめていると
「そこの兄ちゃん、銀髪で片目を怪我している男を見なかったかい?」
と聞いてきた。ただその内容は俺が思っていたことではなく珍しく的が外れた俺は“俺を知らないやつが居るのか”と少し自惚れながら思うと目の前にいる不良たちに向かって
「いや、知らねぇ。逆にお前らはなんでそいつを探しているんだ?」
と聞き返してみた。俺が知らないことを聞いた時点で他を当たろうとしていたのか、小さく青髪が舌打ちをした。苛立ちながら頭を乱暴にかくと
「兄ちゃん、こっちの世界の人か知らないがあまり興味本意で首を突っ込むのはやめた方が良いぜ?特に、族関係は今荒れていてヤバイ。でも俺たちを見て怯えなかった肝気に入った、教えてやるよ」
と真剣な顔つきで言った。それから黄髪の男が続けて
「見ての通り俺たちは不良で族に入っている。ただ、ついさっき謎の男が俺たちのアジトに乗り込んできて、目茶苦茶にやられたばかりだがな」
と苦笑いを浮かべて言う。