古典書物〜刀剣〜


□遠距離恋愛
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翌日


言われた通りに参列し主に最後の別れを告げにきた


木の箱の中には白く冷たくなった主が安らかに眠っていた・・・


俺たちで彼女の周りの花を入れてやる


「まだお若いのに可哀想やなぁ。向こうでも元気でな」


「くりちゃん大丈夫?」
「うるさい・・・」
「主ちゃんキレイだね。みんなにこうやってお花入れてもらって・・・最後に会えて・・・」
「だまれ・・・」





時間が来ると彼女が眠った木の箱に蓋をした



旅立つ時・・・・・



ここから先は俺たちは行っていない


でも空へ昇る白煙が見えた気がした・・・
それは梅雨の空に瞬く間に広がって
あんたは空になった


俺が背伸びをしても
どれだけ手を伸ばしても届かない・・・



俺らよりも遥に小柄で柔らかく
純粋なあんたの元へ 今すぐにでも行きたい
そばにいてやりたい・・・


「空へ続く階段があれば俺はあんたのところへ行けるのか・・・?」



冗談でもわかってる戻れないって事・・・


あんたの輝いた世界
今はもう過去で・・・


わずかな時間だったがあんたと居れた
ことがなにより嬉しかった

辛いこともあったはずなのに
あんたは俺の前ではずっと笑っていた


(『くりちゃん。』)


「・・・・?!」


(『寂しくなったらココに帰ってきてもいい?』)


「あぁ・・・」


(『そしたらまた、ぎゅってしてね。いい子って頭撫でてね』)


「あぁ・・・」


(『やった〜〜』)












それは一瞬の出来事で
主が俺の前にいた気がした・・・














「いつでも帰ってこい・・・・主」
















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