古典書物〜刀剣〜


□片想い
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ねぇ、いつかこの手紙が
君に届くと信じて
今書いてます


君と出会った場所
別れた景色
思い出すと今でも涙が溢れてくるよ


あれから色々の思い出を
君と作りたかった
同じ目線で世界を見て
あれこれ言い合って....



隣で寝てる寝顔にほころんで
僕は君を感じていた....


あの時僕は君の助けなんか無視して
友達と過ごしていた
そんな自分が許せない....

会いたいよ....


こんなはずじゃなかったのに....


僕はあの事件を忘れることはない


絶望の現実を突きつけられた僕は
感情を持たる様....
周りには誰も寄せ付けず
今を過ごしている


「主 ちゃん....」


僕たちの絆を切り裂くようにあの事件は起きた....


ー[今日午後2時42分頃....行方不明になっていた........]ー



僕は会社でそれを知った
主ちゃんの行方が分からなくなって2週間後のニュース............


ー[千葉県山中にて........された........女性の遺体が発見され................確認したところ行方不明だった............主さんと....しました]ー


それは社内でも大きなニュースだった



ニュースの音が聞きたくもないのに耳に頭に入る....
受け入れたくないのに....


僕はまだ君に何もしていない....
頼ってばっかりで
仕事でも迷惑も掛けた

僕は君を守れていただろうか

握ってた手は決して離さないと君に誓って
笑いながら泣かれたこと....僕はまだ覚えてるよ


僕....主ちゃんと出会えて良かったって
そう思ってたんだよ?

仕事の先輩でよかったってそう思ってたんだよ?

凄く厳しい時もあるし
本気で怒ってくれた時もあったよね
僕、全然嫌じゃなくてそれが嬉しかった


また明日って言えた日々が幸せで
また会える。そんな気がした

なのに....
何なんなのか分からないよ
かえしてよ....



君とあの時誓った約束を
叶えるために無理してでも頑張ってた....


まだ本当の気持ちもまともに伝えられてないけど
君は気づいてたよね....
お酒の席で僕がノリで言った言葉


(「先輩の貰い手は僕でいいですよね」)


あれ本気だったんだ

付き合ったりした事ないけど
それでも何故か僕はそう思えたんだ

あの事件は僕やみんなにとって忘れることは出来ない事件

犯人もまだ捕まっていない

あの時もし僕が電話に出てたら
主ちゃんはあんな目に合わなかったのかな

君が最後に残した留守番電話....

必死に叫んでた『たすけて!』の言葉....

何故か消せないでいるんだ....


僕が君を忘れそうで
君が本当は居なかった存在になりそうで
君と離れてしまいそうで....
怖いんだ


白と黒と花と箱
僕は彼女の前で手を合わす....

写真の君は笑っていて
僕の心を締め付けた....


僕はこれからどうすればいいんだろう


嬉しい事も、悲しい事も、辛い時も
先輩が側に居てくれて悩みも打ち明けられたり出来たのに............


許せない....
社内は季節の様に移り変わる....
でも僕が君へ抱いた想いだけは何一つ変わらない
大好きって伝えたかった....
ずっと一緒にいたかった....



僕はそれから
人が変わってしまったのか
誰も寄せ付けない
近寄られたくない
そんな体質になってしまった…………



ただ思うこと

主ちゃんを
愛する人を消した犯人が早く捕まえて欲しいこと



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