古典書物〜刀剣〜


□遭難
1ページ/5ページ

おぃ・・・おい・・・て・・・か?



だ・・じょ・・・か?



(『なに・・・・』)



「おい!起きろ!」



目が覚めた私の目の前には知らない人・・・
男子高校生・・・

「よかった・・・あんただけでも生きてるなら」


『ど・・・どういう事ですか・・・?』


「怪我は?」


『え?ありません・・・なんとか・・・』



彼はすごく私のことを心配してくれた


私たちの乗った飛行機はトラブルに巻き込まれて場所も分からない樹海に墜落
助かったのは彼と私だけだった


「あんた名前は?」


『わ、私は!主・・・』


「そうか・・・」


彼は名前を聞くだけで自分の名前は教えてくれなかった。


『あなたも教えて・・・おそらく一緒にしばらく過ごすだろうし・・・』


「あぁ・・・そうだな・・・・俺は大倶利伽羅」


『大倶利伽羅ねよろしく』


彼は高校生・・・
修学旅行でヨーロッパに行っていたらしい 

私は留学帰りで同じくヨーロッパ


ケータイは圏外

荷物もない


「ここにいるのもなんだ川を探して降ろう」

『そうだね。海につながるかもしれないし』


私たちは川を探しその場を去ることにした

きっと何処かでケータイの電波が繋がるかもしれない

それだけを希望に・・・


「あんた、1人だったのか?・・・家族とか・・・・」


『1人だよ、留学に行ってたんだ』


「そうか」


聞いてくるのに反応が薄い子だ
感じ悪いな・・・


できるなら早くこの人とはさよならしたい
絡みにくいし話しにくい



『ねぇせっかくだし食料も集めながら行かない?すぐに助かるって保証もないし・・・』

「そうだな」


食料を探すが樹海・・・
草木が分かる訳もなく苦戦した


「この虫食えると思うか?」


『いぎぁああああああああああああああ!!ダメそれ捨てて!!無理!無理!』


彼は虫を食べるとでも言ってるのか私に見せてくる


こいつは楽しんでいるのか
真剣にやってるのか正直うざい
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ