古典書物〜刀剣〜


□大切な妹
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貴女が過ごしたほんの数十年はどんな世界でしたか・・・


楽しかったですか・・・


悲しかったですか・・・


辛かったですか・・・


泣きたい時には泣けましたか・・・


笑いたい時には笑えましたか・・・



あなたにとって家族ってなんですか・・・
















窓辺に差す光が主のいない朝を僕に告げる

それは穏やかで涙がこぼれるほど優しくて


さらさらと砂時計が刻む生命(じかん)も終わりがくること


私は知っていました
わかってたはずなのに・・・



「私のことは嫌ってませんか?」


苦しい・・・

失くしたもの探すこの手は
空を切り何ひとつ掴めない


毎日
毎日
毎日

貴女の幸せを永遠に願っていました



そんなもの

どこにもあるはずなどないのに・・・



(『お兄ちゃん』)



それでも
世界は廻る・・・




晴れた空は今日も青く澄んでいて
今日も私だけが1人・・・





主がくれた笑顔は
私たち家族にとって最高のもので


大切な宝物でもあった



逢いたいよ・・・
伝えきれなかった言葉や思い出が
この胸をギュッと締めつける



「痛い・・・」



この家がアナタの居場所だから



まだこの家には主がいるような 気がします・・・


そんな幻を追いかけて
そして僕は途方に暮れる・・・



もう二度と逢えないって本当はわかってるんですけれど

だけど・・・


だけどまだ妹はいる気がするんです・・・



姿は見えません
声も聞こえません




ただ、まぶたを閉じればその裏に
主が微笑んでいます。




主と毎日を過ごした日々を私は“永遠”に忘れません


家族として・・・・


アナタの
兄として・・・・



今にいなくても


私は永遠に主が妹であったことは
忘れません・・・






















主・・・・






























「次、生まれ変わったらまた、私の妹として生まれてきてください・・・」
















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