古典書物〜刀剣〜
□遠距離恋愛
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俺の声は 聴こえるか?
俺にはあんたの声は聴こえない・・・
本丸(ココ)からあんたが居なくなって
苦しくて辛いのに
朝はやってくる
今の俺にはその日差しは眩しくて
痛みだけ伝う
『ごめんね、くりちゃん私言ってなかったんだけど・・・来週、手術するんだ。
手術って体の中の悪い奴をお医者様がとってくれたり新しいのに入れ替えてくれたりするの。ほら、前に伝えたよね。私、心臓がよくないって。今のままだといつ止まるか分からないって・・・。だから今回はお医者様に心臓取り替えてもらうの』
「それであんたは元気になるのか?」
『分からない、その手術はすごく難しいみたいで私も体力勝負なんだって』
俺が主を見たのも声を聞いたのも
それが最後だった・・・・
その日は、梅雨とは思えないほどの晴天で
俺たちも何一つ変わらない生活を送っていた
昼食も終わりみんながくつろいでいるところに
1人の見知らぬ審神者がやってきた
「今日から主の代わりにお前たちを管理することになった」
そいつは主の兄と名乗っていた
「主さんはどうされたんですか?」
そう1人の刀が聞く
「まぁそれも兼ねていいに来た」
優しそうな兄の顔が突然深刻な顔に変わりこう告げた・・・・
主が亡くなった・・・
全員がその場で凍りついた・・・・
「明日、ちょうどこの時間に主の出棺がある。できるならでいい全員出席して上げてくれ」
それじゃ
いう事だけ伝え忙しいからと兄はその場を去ってしまった・・・・