小説恋になるまで

□終わりの始まりの
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南雲家の別荘………久しぶりだからか大きく見える気がする。
俺の家が一般家庭だということを忘れてもらっては困る。

ボケーっとしていると別荘の玄関が勢いよく開いて誰かが俺のほうに走ってきた。

いや、飛びかかってきた。


「みっおっちゃーん!!!!」

「うわっ」


飛び付かれよろけるが何とか持ちこたえる。

このふわふわの髪の毛は……


「美弥姉、突然飛び付くのはアブねえって」

「あっははー、相変わらず美人さんね!美桜ちゃん!」


そう言って綺麗に笑う美弥(ミヤ)姉の方が美人だと俺は思う。

美弥姉は大地の姉で三人兄姉の真ん中だ。
つまりは大地のお姉さん。

久しぶりの再開の抱擁が少し力が強いなぁと思っているとまた家から人が出てくる。


「おい、美弥。あんま美桜にくっついてっと大地が拗ねんぞ」

「拗ねねえよ!!」


よぉ美桜ひさしぶりー、と噛みつく大地を流して何とも怠そうに歩いてくるのは南雲家長男の蒼空(ソラ)だ。
昔から蒼空は俺の兄みたいなまんでもある。


「蒼空、久しぶり」

「ああ。しっかし美桜、お前は背伸びねぇな?まぁこんくらいがちょうどいいかもな。なぁ、大地」

「ああ、美桜はそんくらいでいい。まぁもう少し肉をつけないと抱き心地が悪いけどな」


180pを越えている二人に言われるとムカついてくる。
これでも平均はある、平均は。
しかも抱き心地ってなんだコラ。


「ほら、話は中に入ってからにしなさーい!」


雪さんの言葉で全員が中に入ると大地に腕を引かれる。


「んじゃ、美桜は先に部屋に案内すっからこっちな」


どんどん歩く大地に引かれながら先へと進むと1つの部屋の前でその足が止まる。


「美桜はここ使え。俺の部屋は右隣で、左隣は美桜のパンダ部屋」


とりあえず荷物置いてゆっくりしてろ。
後で迎えにいくから。
そう言って大地は自室へと消えていった。

さて、荷物を適当に片付けたらパンダルームにいこうか。









ガチャッ


「うわ……相変わらず綺麗に並べられてるな、パンダ…」


可愛いパンダがこれまた綺麗に並べられていると少し崩しづらいが、崩すぞ俺は。

とりあえず特大パンダ人形に座り込みぼーっとする。

ああ、癒される。


「あ、そーいやこれほとんど大地が集めたやつだな…」


文句も言わず集めて最終的に片付けるのは大地の役割になっている。
俺が片付けられないんだからしょうがないっちゃしょうがないんだが、なんか今ごろになって申し訳なくなってくるなぁ。

そんなことを考えながらぼーっとしていると部屋のドアが開き大地が入ってきた。



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