短編集(その他)

□勉強
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今日は図書室でお勉強。
まあ俺らしかいないんスけど。
「黒子っちー。ここわかんない。」
教えてくれてるのは俺の大好きな黒子っち。
ふあー。もう幸せ。
「どこですか?」
「これこれ。」
正面に座る黒子っちが俺のほうにぐいっと顔を寄せる。
ふわっと漂う黒子っちの匂い。
ギューって抱きつきたい。
そんな衝動を抑えながら黒子っちの説明を聞く。
と言っても、全く聞いてないんスけどね。
上から見ると目立つぱちぱちした長い睫毛。
ふわふわのくせっ毛。
白くて細い指先。
全部全部愛おしい。
「黄瀬君。聞いてますか?」
「あ、ごめん!つい…。」
「教えてくれって泣きついてきたのは誰でしたっけね。」
ぷくっと頬を膨らます黒子っち。
可愛すぎるっスよー。
「じゃー今度はこれ!」
「少しは自分でやってください。」
と言いながらも教えてくれる。
どうやらわからないようで、悩む黒子っちがまた可愛い。
そんな黒子っちをニコニコしながら見る。
もう本当、俺黒子っちに溺愛っスわ。
まさか、こんなに好きになるなんて思ってもなかった。
でも、本当に愛おしくて。
大切で。
黒子っちの前髪をさらっと上げておでこに軽くキスをした。
「黄、瀬君…!」
ごめん黒子っち。今のは無意識。
恥ずかしそうに顔を赤くして下を向く黒子っちが可愛くて、もっとしたくなっちゃう。
「黒子っち。キスしてもいーっスか?」
そう言うと目を見開いて、また俯かれた。
「それより、勉強、してください…。」
「はいはい。ごめんね黒子っち。」
笑って言うと「黄瀬君のバカ…。」って言う呟きが聞こえてきた。
「勉強、終わったら、いい、です、けど。」
下を向きながら、小さく、でも確かにそう言った。
「黒子っち大好きっス!」

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