長編

□あの日の彼。4
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赤司君には意外にも早く会えてしまった。
(あれ…?)
部活帰りの電車の中、見つけた赤い髪。
間違いない。赤司君だ。
嬉しくて、満員電車の中を間を縫って近づいていく。
手を伸ばせば届く距離まで来て、出かけた手を戻した。
(俺のこと、覚えているだろうか。)
不安がよぎる。
話したのも一度だけ。平凡すぎる俺。
怖かった。
こんなに心踊らされているのは俺だけで、赤司君に冷たい目で見られるかもしれない。
心配性で臆病な俺の悪い所。
手をギュッと握り、俯いた。
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