短編集(赤司受け)

□冬の朝
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まだ冬に入ったばかりだ。
それなのに今年は例年以上に冷える。
「…寒い。」
これなら布団から出たくないというのもわかる。
すごくよくわかる。が。
「それとこれとは別だ!!」
「うわああああ寒いって!!」
僕は勢いよく布団を剥がした。
中では俺がブルブルと震えている。
「僕、何するんだ。寒いからかけて。」
「もう何時だと思ってる。そろそろ起きろ。」
嫌だ、とまた丸くうずくまる。
ため息をついて僕は俺の隣に横になった。
そのまま後ろから抱きしめる。
「うわ僕ー。」
「ほら、これで寒くないだろ。だから早く起きろ。」
「んー。もう少し…。」
そう言うとまたうとうとし始めた俺。
僕は素早く俺から離れた。
「え?!僕寒い。」
「早く起きろって言ってるだろ。怒るぞ。」
「そう怒んないでよ。」
俺はニヤニヤ笑うとようやく起き上がった。
これでやっと…と一息ついたのも束の間。
いつの間にか布団の上に押し倒されていた。
「俺、どけ。」
「僕が意地悪するからだよ。それに肌くっつけたほうが温かいって言うしねー。」
そう言いながら僕の至るところにキスをする俺。
こいつには全く敵わない。
仕方ないから、付き合ってあげるよ。

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