嘘つきな恋

□嘘つきな恋 2
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跡部に告白した日から2日。
明確な返事が無くてあの時の私はずっともやもやしてた。












嘘つきな恋 2
















3時間目の終わり、友達のトイレ行こうという女子特有のお誘いを断り、まばらに生徒の残る教室でぼんやりしていた。

幸せにしてあげる

なんて強引すぎたよなー

でもあんな跡部見てたら、なんとかしてあげたいって‥

あー、あの横顔格好良かったなー!夕陽の朱い色が跡部の肌に光って‥‥

「なーに1人で百面相してんだよ」

ぐるぐる考えていたら急に跡部に日誌で頭を叩かれた。

「っ!痛‥‥」

「日直、サボってんじゃねーぞ、アーン?」

そうでした。ここ氷帝は週番制度が適用されているんでした。

「‥‥‥痛い」

「‥っ、んな強くした覚えはねーが、大丈夫か?」

「‥‥‥跡部に振られて心が痛い」

「!!こ、の!もう一回頭打っとくか!アァン?」

クラスメートの、あぁまたあの2人やってるよという生暖かい視線が妙に心地よかった。

良かった。嫌われてはないみたいだ。

その後、昼休み返上で次の授業の準備のために視聴覚室まで2人で廊下を歩いていると、すれ違う子達がキャアキャアと騒ぎ出す。

カリスマ性があるというか、やっぱり跡部の凄いところだ。

そんな人に私は無謀ともいえる告白をしたんだなぁ、と少し先を行く彼の後ろ姿を見つめる。

(あの告白は無かった事になってるんだろーか)

胸がツキンと痛むと跡部が顔だけこちらに向けた。

「ったく。この2日間誰かさんが先に帰っちまうからよ、この俺様が忙しい時間割いてやったんだ。感謝しろ。」

「‥‥ありがとう。」

「アン?やけに素直じゃねーか」

「あと残りやるからもういいよ」

急にセンチメンタルな気分になった私を心配したのか

「んな事できっかバーカ。」

と、言ってまた気持ちを高ぶらせるんだ。ずるい人。

「期待しちゃうからあんまり優しくしないでよ」

視聴覚室に着いてすぐに私の口からでた言葉は焦らされた証拠。涙を我慢したのは誉めてあげたい。

「アン?期待?んなの、恋人だったら優しくして当然だろうよ」

「は‥‥?」

その時の私は本当に間抜け面だったと思う。

だってその顔見て跡部が笑ったから。

「振った覚えもねーしな。」

「‥!!」

嬉しくて言葉が出ないのは初めてだった。

「早く終わらせて昼、行くぞ。まだ何も口にしてねーだろ。」

「‥うん!」






今の私にもこの時みたいな気持ちがあったら、繋いでた手を離さなくて良かったのかな?



なんて馬鹿な考え。












...

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