戰華王の正妃
□幼少期編
1ページ/6ページ
はるか昔
国中に魑魅魍魎が跋扈(バッコ)していたその時代___
いつ終わるともしれぬ混沌のなかで一人の若者が旅に出る
跳梁する妖を追い払い
民の安寧を胸に秘め
いつ果てるともしれぬ旅を彼は続けた
やがて その想いに心うたれた
八人の仙がつどいくる
藍仙 紅仙 碧仙 黄仙 白仙 黒仙 茶仙 紫仙
色の名を持つ彼らは いつしか彩八仙と呼ばれ 不思議の力を駆使して若者を助けた
その若者の名は 蒼玄___
八仙の知恵を借り
国の基礎(いしずえ)を築き
人の世に夜明けを拓いた
彩雲国 初代国王
蒼玄の死後八仙はいずこかへ姿を消した
だが彼が 仙のために建てた風雅の宮は
仙人の住処___仙洞宮と呼ばれ
今もなお王城の一角にあるという