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□愛になる日を夢みてる
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ーねぇグレイ
ーん?
ーおとなになったらアカネをおよめさんにしてくれる?
ーおう!いいぜ!
ーほんとう?ぜったいだよ?
ーあぁ。やくそくな!




ー愛になる日を夢みてるー




「アカネ…アカネ。」

『んぅ…』

名前を呼ぶ声に目を覚ます。
隣を見ると優しく微笑むグレイの姿。

「おはよ、よく寝てたな」

言いながら髪をとかすように撫でてくれる。
朝のこの瞬間が、私はたまらなく好き。

『ふふ、小さい頃の夢みちゃった』

「小さい頃?」

『うん、覚えてる?私がグレイのお嫁さんになりたいって言って…』

「あぁ、覚えてるよ」

懐かしむように二人で思い出すと、グレイがぎゅうっと抱き締めてくる。

『グレイ?』

「あんなガキの頃からずっと…アカネは俺の傍にいてくれてんだな」

優しく、でも強く強く。体を密着させながらそんなこと言われたら…

『泣いちゃいそう…』

「何でだよ」

少し困ったように笑いながら、顔を覗いてくるグレイ。
だけど次の私の言葉を聞いた瞬間、その表情は満面の笑みへと変わった。

『幸せ過ぎて…涙が出るよ』



小さな頃にグレイに恋した。
それからずっとずっと、今も大好きで。
この先がもしも永遠に続くのなら
願わずにはいられない。


この恋が愛へと変わりますように。


そんなことを夢みてる、幸せな朝。






Fin


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