DESTINYー絆の紡ぐ物語ー
□第8章 ラエティティア・ルミノクス
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─アストルムの街─
港でレオギスたちと別れたマルスたちは、アストルムの街を歩いていた。
「でっかい街だなぁ」
街の中を見回しながらマルスは言う。
その時、ふと声をかけられた。
「旅のお方ようこそ、アストルムの街へ!今夜は五年に一度の祭り、ラエティティア・ルミノクスが開催されますよ!ぜひお楽しみ下さい!」
街の観光案内人らしき男が、通り過ぎて行く三人に向けてにこやかに言う。
「祭り祭り!楽しみっ」
マルスはどんな祭りなのか思い浮かべる。
「ラエティティア・ルミノクス…確か古い言葉で、明るく楽しい夜って意味だな」
隣でアイクが呟く。
「世界三大祭りに数えられる祭りです。どうぞ楽しんでいってください!」
男は三人にそう言うと、また別の旅人に声をかけに行ってしまった。
「早く祭りの時間になんないかなぁ」
マルスは興奮ぎみに言う。
「まぁ、その前に今日の宿をとっておかないとな。祭りはそれからだ」
「わかってるって。よし、宿屋探しに行こう!」
アイクにそう返して、マルスは宿屋を探しに歩き出す。
「マルス、本当にお祭り大好きだよね…」
「頭の中が年中お祭り状態の奴だからな」
楽しげなマルスの後ろ姿を見て呟くパルに、アイクが耳打ちする。
「それは…確かに…」
パルはくすっと笑いを零した。
そして、アイクとパルもマルスの後を追って歩き出した。