DESTINYー絆の紡ぐ物語ー
□第6章 秘められた力
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エヴァの魔法で南の大陸までやって来た三人は雪国の時同様、パルの耳を頼りに歩いていた。
「さっすが、南の方だからあったかい……って言うより、暑いなぁ」
強めの日射しが容赦なく三人に降り注ぐ。
じんわりと汗が浮かぶほどだ。
「うぅぅ、暑い……」
「暑い暑い言っているから、なおさら暑く感じるんだ。少し黙ったらどうだ?」
「こんなに暑いのに、アイクは相変わらず冷たいまんまだよね」
汗を拭いながら、マルスはポツリと呟いた。
「ねぇ…見て……。海、見えてきた……」
パルが前方を指さして言う。
三人の視線の先には、青く澄んだ海が見えた。
「海……あそこから、感じる……。クライスとおんなじ気配……」
「じゃあ海行こうよ!」
「目的は海じゃないからな。まぁ、何かありそうだから行く価値はあるな」
「よっしゃあ! 海、海っ!」
マルスは嬉しそうな顔で、意気揚々と歩き出していた。
アイクとパルもそれを追って歩き出した。