黄金色に輝く‐現在篇‐
□第伍話
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真選組に入隊してからやっと仕事に慣れた日々
そんな私は最近、気になることがあった
それはある日、夜に出かけた近藤さんが次の朝に鼻血を垂らしながら帰ってきたのだ
驚いた私は急いで救急箱を取りに行き、治療をした
申し訳なさそうに笑う近藤さんに私は怪我をした理由を聞こうと思ったがやめておいた
しかし、それから近藤さんはボロボロになった姿で帰ってくることが多くなった
流石に不安になってきた私は意を決して聞こうと思い、食堂で昼ご飯が載ったトレーを持って食べている近藤さんの隣の椅子の後ろに立っていた
「お隣宜しいでしょうか?」
「あ、蘭ちゃん!
全然いいよ!!座って座って」
「ありがとうございます」
軽くお辞儀をした後に机に昼ご飯を置き、椅子に座った
よし、聞きましょう!!
そう思って近藤さんに声をかけようとした瞬間、先に近藤さんから声をかけられた
なぜか顔を赤らめている
「あの、蘭ちゃん…///
あとで俺の部屋に来てくれないかな?」
「あ、はい。わかりました」
結局その後は聞けず、近藤さんは食べ終わった後にそそくさと食堂を出て行ってしまった
聞き損ねちゃいました…
でもまた近藤さんの部屋に行くから近藤さんの用事が終わった後に聞きましょう
私も食べ終わり、食堂を出た
「近藤さん、零季です」
私は食堂から出た後に近藤さんの部屋へと向かい、たどり着いた
襖越しに声をかけると中から「入っていいよ」と聞こえ、私は「失礼します」と言いながら襖をあけて中に入った
「ごめんだけど、襖閉めてくれる?
ちょっと蘭ちゃん以外には聞かれたくないから…///」
「わかりました」
そわそわしながら座っている近藤さんに襖を閉めてという要求通りに私は襖を閉めた
そして近藤さんと向き合うように正座で座った私に近藤さんはごほんっと咳払いをした
「えーと、蘭ちゃんに聞いてほしい話なんだけど…///」
「私にですか?」
「うん、そうなんだ///」
未だにそわそわしながら話さない近藤さんを待っていると近藤さんが膝の上にギュッと拳を作った
「実は好きな人ができたんだ!!
しかも今、その人に結婚を申し込んでいるんです!!!」
「!!」
目もギュッと瞑り大声で好きな人が出来た宣言をすると私は目を丸くした後にいきなり立ち上がり、ガッと襖に手をかける
そしてスパァンと大きな音を立てながら襖をあけた
穏やかな蘭からは想像もつかない行動に近藤は間抜けな顔をした
「……え、っと?あの、蘭ちゃん?
ど、どうしたの?」
両側にある襖に手を当てながら立っている私に恐る恐る聞いた
すると外の方へと向きながら「近藤さん!!」と言ってバッ振り返った
「今から赤飯を炊いてきますね!!!」
うっすら涙を浮かべながら笑顔で言う私に近藤さんは「へ?」と言った
「それって俺のことを祝ってくれるってこと…?」
「当たり前じゃないですか!!」
「にしては蘭ちゃんの行動がすごかったけど?!」
「だってとても嬉しいんです!!
近藤さんはとても素敵な人なのに中々、結婚されないんですもの」
「蘭ちゃん…」
「だから今日はお赤飯です!!!」
私の言葉に涙を流しながら喜ぶ近藤さん
そんなダッと音を立てながら今にも走り去っていこうとしそうな雰囲気の私に近藤さんは慌てて肩をガシッと掴んだ
「蘭ちゃん!!祝ってくれることはとても嬉しいけどとりあえず落ち着こうか!ね?!」
「いえ!落ち着いてなんかいられません!
早くお赤飯を炊かないと!!!」
「もしかして蘭ちゃんがお赤飯を食べたいだけなんじゃ?!
とにかく話を聞いて!!お願いぃいいいい!!!」
そんなやり取りをした後にやっと落ち着いた私は近藤さんと座りなおした
「そんで、その人さぁ///
あ、お妙さんっていうんだけど
まるで菩薩のような女性だったんだよ!!」
「わぁ!菩薩だなんてとても素敵な方ですね!」
「そうなんだよぉ!!!///
んでもう、なんか、こう…
全ての不浄を包み込む感じがあって俺のケツ毛も包んでくれそうなんだよ!!///
それで俺はそんなお妙さんに惚れちゃって…///」
興奮しながら話す近藤さんに私は自分のことのように嬉しそうな表情で聞いていた
「へぇ、きっと心がとてもきれいなお方なんでしょうね
ふふ、私、そのお妙さんという方に会ってみたくなりました」
私もそのお妙さんという方のような女性になりたいです
近藤さんが想いを寄せている女性に憧れを持ちながらどんな方かと想像していると「じゃあさ」と声がかかった
「今から一緒に会いに行こうか!!!」