黄金色に輝く‐現在篇‐

□第参話
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私が真選組に入隊してからの三日目の朝

いつも通りの日課の素振りをして今、私は食堂で朝ごはんを食べていた

昨日の兄上と総悟君のおでかけは本当に楽しかったです

この楽しかった思い出を力に変えて今日からのお仕事を頑張りましょ!

私は手を合わせて「ご馳走様でした」と言い、元気よく立ち上がった


食器を返却口に置き、食堂から出ようとすると出入り口付近に総悟君が立っていた

あれ?私の方を見てます?

私はとりあえず声をかけようと思い、総悟君に近づいた


「おはようございます
沖田隊長」


私はピシっと背筋を伸ばしてお辞儀をした

やっぱり総悟君も昔からの友達だけど先輩ですもんね

ちゃんと敬語を使わなくては!

顔を上げると少し悲しそうな顔をした総悟君が居た

あれ?私、もしかして失礼なことをしてしまいました?!


「どうなされたのですか?」

「どうしたのはこっちでィ
いきなり敬語でしかも隊長なんてやめてくだせェ」

「え、だって沖田隊長は後から入った私から見たら先輩なんですよ?
やはり敬語はちゃんとしないといけないです」

「そんなの俺がいやでさァ
あ、じゃあ…隊長の命令で蘭は俺のことはいつも通り呼ぶでさァ
それと敬語なしで」

「え、でも…」

「隊長の命令は絶対従わないといけないんでィ
だって蘭は後輩、だろ?」

「!」


ニッと笑う総悟君は昔の小さい彼とは違う顔をしていた

あぁ、やっぱり成長してますねぇ…

しみじみ思う私もニッと笑った


「はい!」










「あ、そういや蘭に言いたいことがあったのを忘れたやした」


あの後二人は食堂を出て縁側を歩いてた

すると総悟君は何かを思い出し、立ち止まった


「何かあったの?」

「最近、指名手配の野郎が現れているみてぇで
そんで土方さんが今日、俺と蘭の三人で張り込みをするみたいでさァ」

「指名手配…」


そういえば、昨日帰ってから兄上がとても忙しそうでした

やっぱり無理しておでかけをされなくてもいいですのに…
ん?総悟君と張り込み?


「てことはもしかして私の初めてのお仕事?!」


私は勢いよく総悟君の手を握り、顔が近づいた

そんな不意打ちに総悟君は頬を染めた


「お、おう
そうゆうことになりやすね」

「わぁ!初のお仕事だぁ!」


私は初めての仕事に興奮し両手をあげた

これで兄上達のお役にたてます!

そんな喜ぶ私に総悟君は後ろを向き、顔を伏せていた


(あー、いきなりの不意打ちにびっくりしたでさァ///)


未だにドキドキする胸を抑えるために小さく深呼吸をした


「それで総悟君!
その仕事は何時からするの?」

「え、あ、えーと…
確かもうすぐでしたねェ
土方さんが着替えて客間に来いって言ってやした」

「じゃあ急いで隊服に着替えてくるね!
それじゃあまた後で!」

「はい」


手を振って自分の部屋に行く私に総悟君も手を振った

あぁ!初めての仕事に初めて着る隊服!
頑張らないといけませんね!!

私は急いで自分の部屋に向かった










私は自分の部屋に戻った後、初めての隊服に少し慣れない手つきで着た

初めて履くズボンに嬉しくてくるっと回転すると白い布があることに気が付いた


「えっと、これは…?」


なんでしょうか?

それを手に取るが使い方が分からず、私は困った顔をした

どう使えばいいのでしょう?ハンカチ?

あ、でも確か、兄上達の首元につけていたのと似てますね

私は近藤さん達の首元を思い出しながらつけようとしたが上手くできなかった

とゆうかどうつけるのかわからなかった


「仕方ないけどこれは兄上に教えてもらいましょうか」


私は二つの刀を背中に紐で背負い、白い布を畳んでポケットに入れて部屋を出た
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