黄金色に輝く‐現在篇‐

□第弐話
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昼下がりの頃、蘭達は近藤の部屋を出て食堂で蘭の手作り料理が披露されたり、それに土方がマヨネーズをかけたりと騒ぎながら蘭達は昼ご飯を食べた


それから食堂に居た隊士達は部屋に戻り土方達もどこかに行ってしまった

蘭もやっと食べ終わり、食器を返却口に返すと誰かが話しかけてきた


「あ、あの!」

「はい?」


振り返ると顔を赤くしている隊士がいた


「なんでしょうか?」

「え、えっと…その…」


もじもじしながら中々言わないので蘭は首を傾げた

すると男はカッと目が開かれた


「零季さんはもう案内されましたか?!」

「いえ、まだですが…」

「ならもしよろしければ!俺が案内しましょうか?!」

「…え?よろしいのですか?」

「全然構いません!!」


大声で言いながら聞く男に対して蘭はパァアと顔を輝かせた


「ではお願いします!」

「はい!」


その笑顔を見て男は照れながら誘導した


「あ、俺の名前は山崎退っていいます」










蘭達は食堂を出て屯所内を歩き回った


「へぇ…見たことがないものが沢山ありますね」


案内を済ませ廊下を歩いていると蘭が顔を輝かせながら山崎に言った

だが山崎は不思議そうな顔をした


「そうですか?ここは特に変わったものとかは置いてないですが」

「そうなのですか?!やっぱり江戸ってすごいですね!
お恥ずかしいことに私、この歳になっても都会のことなどは全然知らないんですよね」

「いや!そんな気にすることはないですよ!」

「そういっていただけると嬉しいです」


ニコッと笑う蘭に山崎は「えへへ」と頭に手をあてながら笑う

それから他愛ない話をしていると反対側から土方と近藤が歩いてきた


「あ、蘭ちゃん見つけた!
ちょっと来てくれるかな?」

「はい。わかりました!
山崎さん、案内をしていただきありがとうございました」

「いえいえ!そんなの全然いいですよ!///」

「ふふっそれでは失礼いたします」


蘭はぺこりと頭を下げ、近藤のもとへ行った

そんな後ろ姿を山崎はぽ〜と見つめていると土方がすごい顔で見つめてきた


「おい、山崎
テメェ…蘭に手ェだしたら切腹だからな…」

「は、はいぃぃぃぃぃ!わかりましたぁぁぁぁぁぁ!」


山崎は顔を青ざめながら謝ると土方は近藤達と歩いて行った

その場に残った山崎はホッと一息つき、少し嬉しそうな顔をしながら自分の部屋に向かった










山崎と別れた三人は土方の部屋に来た

近藤が襖を開けると畳まれた布団と蘭の荷物が置かれていた


「ザキに案内してくれたと思うけどここがトシの部屋だ
で、あれが蘭ちゃんの布団」

「ありがとうございます
それに私の荷物も運んでいただいて」


蘭は深く礼をした後に近藤から何かを渡された


「これは…?」


広げるとそれは真選組の制服で近藤達と同じのであった


「まだ蘭ちゃんの隊服は作ってないから出来るまでそれ、着てくれるかな?」

「宜しいのですか?!ありがとうございます!!///」


隊服を見て興奮している蘭を見て近藤と土方は心が和んだ


「私、洋服を着るの初めてなんですっ///」

「よかったな、蘭」

「はい!///」


土方は微笑みながら蘭の頭を撫でると蘭は頬を緩ませた


「あとは日用品だけどすまんが何が必要かわからないから明日、江戸を観光ついでに買い物してきてくれないかな?」

「わかりました!」

「確か、俺は非番だから一緒について行ってやるよ」

「!兄上とお出かけなんて久しぶりです///」

「じゃあ俺も行きやす」


はしゃぐ蘭の隣に手を挙げている沖田がいた


「総悟…いつからいたんだよ
大体お前は明日は仕事だろが!」

「蘭とのデートのついでにサボリでさァ」

「結局はサボリじゃねぇか!
それにデートってなんだ!!」


今にも土方が刀を抜き出そうとしてそれを宥める近藤を蘭は見つめながら首を傾げた


「でーとってなんですか?」

「「「…」」」


その言葉を聞いて三人はピタッと止まった

あぁ、この子とは付き合うのは難しそうだなぁと思う三人であった
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