食と友と…愛と?

□第二日目
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僕の周りにいる人はあまり寄ってこない
よく一緒にいる人なら別のクラスに数人いるが
僕のクラスの人らとはあまり話さない
他人に興味がない僕も一つの原因なのだが毒を持った生き物を飼っていることが大きい原因だ

そんな僕は3年生になった

この学園はクラス替えがないのでクラスメイトとは小学部から一緒の人もいれば
受験組で中等部からの人もいる
なので寮の部屋も同室者がクラスメイトなので三年間一緒の筈なのだが
僕と一緒に暮らしているジュンコを怖がって今は同室者がいないのだ
まぁ僕はジュンコ達さえいればいいんだけど

そして昨日は始業式があったのだが担任がHRの時に転校生の話をしていた
本当は始業式の後に転校生の自己紹介があったらしいのだが
その本人が無断欠席をしたらしく来ていなかった
なのでその転校生はまだどんなやつかは見ていないのだが
多分そいつも僕のことを知ったら関わろうとは思わないだろう
そう思っていると担任が教室に入ってきた

「それでは朝のHRを始めます」

号令をした後、僕は先生の話を耳で聞きながら窓の外を眺めた

「昨日も言いましたが今日から通常授業が始まります
あなた達ももう三年生になったので遊んでばかりではなくこれからのこともしっかりと考えてくださいね
それと転校生の…」

先生が転校生の話をすると同時に教室の前のドアがガラリと音を立てながら開いた
音に反応して僕は前の方に顔を向けると見たことがない顔をしたやつが立っていた
多分初日から無断欠席をした転校生だろう
先生が怒った顔で「花宮!」と呼んでいる

「あなた、遅刻ですよ!
ちゃんと時間までに登校してください!!
それとなんで昨日は休んだのですか?!」

先生は怒りながら話すがそう言った話は二人で話してほしいものだ

『あー…すんません
朝はあまり強くなくてですねぇ
昨日は寝坊しちゃったんです
それでですね、本当は今日は頑張って起きれたんですがやっぱ睡魔には勝てなくてですねぇ』

怒られてる割にはのんびり話す転校生はとても眠そうな顔をしていた
髪もぼさぼさで服も着崩して三年生の緑色のネクタイも結ばずに首にかけたままだ
そんな転校生は綺麗な顔をしているがとてもちゃらく見える
僕、チャラ男は嫌いだなぁ…
三之助もチャラいけどあいつはなんだかんだでちゃんとするときはするやつだし

「ちゃんと反省しているんですか?!
あとなんですか!その恰好は!!
ピアスも校則で禁止ですよ?!」

『あ、またとるの忘れてた
すんません、これからは気を付けるので』

「あなた、本当にい組なの?!
また小松田さんがへまして…」

先生はイライラしているのかぶつぶつと文句を言っている
そんな様子にも気にしていないのか転校生は呑気に欠伸をしている

「まぁいいわ。話はあとでさせてもらいますからね!
とりあえずあなたは早く席に着きなさい
えっと確かあなたの席は…
伊賀崎の隣の席ね」

実は僕の席は一番後ろの窓側の二列目でその隣が転校生の席なのだ
席が空いていたので転校生の席とはわかっていたがチャラ男なら少し嫌だ
少しだけ席替えを早くしたいと思ってしまった
転校生は空いている席を見つけるとクラスの視線を浴びながら座りに来た
それから隣の僕とは何も挨拶もなく、朝のHRは続けられた










朝のHPが終わった後に僕は一時間目の授業の準備をしていると
教卓に転校生と話をしていた先生が僕の名前を呼んだ
何か用事でもあるのだろうか

「なんでしょうか」

「昨日、話したけど転校生の花宮咲哉よ」

先生からの自己紹介に転校生の花宮は「どーも」と言ってきた
チャラ男が苦手だが流石に無視は失礼だと思い、軽く挨拶を返した

「それでですね、伊賀崎は今寮での同室者が居ないでしょ?
ですので花宮が明後日からあなたの同室者よ
これから仲良くしてやってくださいね」

そんな先生の話と花宮の「どうぞよろしくー」という言葉に僕の顔は
とても反応がわかりやすかったと思う
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