華鬼‐終焉と希望の華‐
□第二章 鬼ヶ里
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花嫁たちが色めき立っている。
すると1人の花嫁がやってきた。
「刹那!玄関に待たせているから早く行きな!」
刹那は言われたとおりに玄関に向かう。
その後ろを忠尚と渡瀬がついてくる。
玄関に花嫁たちが集まり人だかりができていた。
鬼頭が来た時と同じような状況になっている。
花嫁の1人が刹那に気づきほかの花嫁に知らせる。
あっという間に花嫁達は左右によける。
中心にいたのはバランスのとれた四肢に少し色素の薄いさらさらの髪をした人形のような容姿の男だった。
後ろで忠尚が舌打ちをするのが聞こえた。
男は刹那に気づくと歩み寄り頬に手を添えた。
「…刹那?」
紫色の瞳が刹那を見つめる。