華鬼‐終焉と希望の華‐

□第二章 鬼ヶ里
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響はまだ刹那の姿を見たことはない。

生まれた時に1度会う予定ではあったらしいが例の事件のせいで会うことができなかったのだ。

響も会うことを楽しみにしてくれているのだろうか

と考えて本を閉じてから桜の細工が施された写真立てを置いて眠りについた。















翌朝、目を覚ますと着替えて顔を洗い広間に向かった。

忠尚は家族揃って食事をすることを望むのでここに住む者たちは毎日一緒に食べるのだ。


普通の人間と同じスピードで成長してきた刹那だが、人間で言う16歳になったことで鬼と同じように年をとっていくようになる。

この見た目が何百年と続くのだからすごい。

そう思いながらご飯を口に運ぶ。

食事を終えると他の花嫁たちはそれぞれ離れていった。

刹那は忠尚と渡瀬の前に座ると深々と頭を下げた。


「忠尚様、渡瀬さん今までお世話になりました」

そんな刹那を見て忠尚は顔をしかめると

「何今生の別れみたいなことをしてやがる。戻ってきたくなったらいつでも戻ってくればいい。」

その言葉に渡瀬も微笑むと

「…忠尚様もいつでも遊びに来ていいと言っているんです。私共もいつでも歓迎しますよ」

と言った。


そして、外が騒がしくなってきた。
迎の庇護翼がやってきたのだろう。
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