薄桜鬼‐鬼姫奇譚‐

□第一章
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月が美しく輝きを放つ夜。
3人の浪士に追われている少年がいた。

少年は必死に逃げて近くの民家の陰に隠れた。

なるべく気配を消して浪士たちの様子を伺う。

恐怖と刀を抜かなくてはならない緊張で震える手を柄にかけて息を殺す。

後少しで見つかってしまう距離になった瞬間、笑い声が聞こえたかと思うと叫び声が響き一人が斬られた。

近くにいた浪士が異変に気づきふりかえる。

「き、貴様ら!何をするか!」

だが、その声もすぐに悲鳴に変わりその浪士も斬られてしまった。

少年は目の前の光景にさらに今日を抱きその場から動けずにいた。

死体をさらに切り刻み狂気を含んだ瞳で笑っている。

逃げなければと思うのに体がいうことを聞かない。

足が地面に縫い付けられたように自由がきかないのだ。

浪士たちを斬った者がこちらを振り返った。

白髪に血のように紅い瞳をした男はにやりと笑うと刀を振りかざした。

まるで、新たな生贄を見つけたかのように。
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