華鬼-舞い散る華の如く-

□2人の花嫁
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頭から離れない。
鬼頭の言葉。

『今夜が楽しみだ』

神無に向けられた言葉ではない事は確かだ。

だが、それは愛しい花嫁を迎える為の言葉ではない。

自分の花嫁を殺すための言葉なのだ。

でも、選ばれたのが殺されるのが神無じゃなくて良かった。


あの子は幸せにならなきゃいけない。

こうなってから自分の容姿に感謝した。

今までは嫌で嫌で仕方なかったのに。

双子は空が暗くなってきた時刻に婚姻の儀が執り行われる場所にやってきた。

玄関先には優しそうに微笑む女性が1人立っていた。


麗二はその女性に微笑むと双子に説明した。

「もえぎさんが案内してくれます。なのでここからはお二人で」
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