華鬼‐終焉と希望の華‐
□第一章 奇跡の華
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それから数年の月日が流れ、花嫁である鬼の少女は緩やかに成長していた。
幼いながらに目鼻立ちのはっきりしたこの少女は忠尚の花嫁たちにも人気だった。
鬼であるために歳をとるのが遅い少女同じ年に産まれた鬼の子達と走り回っていた。
花嫁たちも庇護翼達もその姿を微笑ましげに見つめていた。
少女は幼いながらに自分の両親が同胞である鬼に殺された事を理解していた。
そのせいなのか感情に乏しいところがあり尚且つ血の気が多い。
「おい!何すんだよ!」
その声に庇護翼頭である渡瀬が振り向いた。
見るとどうやら喧嘩になっているらしい。
「貴方が順番を守らないのが悪い。文句があるなら順番を守りなさい」
ごっこ遊びで順番を守らないのが原因らしい。